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久々の大型台風の上陸に、果樹農家をはじめ我々稲作農家も被害の無いことを祈りました。大自然相手では、皆このように「祈る」しかないのです。
それに、短い夏の中でどの様に実ってくれるか心配しました。
しかし、御安心下さい、とても粒ぞろいが良くきらきら艶のある「米」に仕上がっていました。私も驚きましたし、正に「大自然の恵み」だと感じました。
秋の夜長に手にした本の「宮沢賢治」の詩が心に沁みました。
雨ニハハカトウトセズ、風ニハサカラワズ、
雪ニモ夏ノ暑サニモ感謝シ
丈夫ナカラダヲモチ
イツモシズカニワラッテイキル
東ニ病気の農家アラバ
行ッテ手伝ッテヤリ
西ニツカレタ友アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
サウイフ農家ニ
ワタシハナリタイ
自国農業を「市場原理主義」の中で語って欲しくない、そう思うのです。
「あきたこまち」など早生種の稲はほぼ黄金色に、「コシヒカリやミルキークイーン」などの晩生品種は深みどり色から徐々に黄みどり色にと、それぞれ実りを進めています。いつもの年は台風の被害を心配する頃ですが、今年はそれはありません。でも、涼しい分だけ実りに時間が多くかかり稲刈りに取り掛かるのが例年より10日ほど遅くなりそうです。
秋は収穫の神を祭る「お祭り」が各地でおこなわれます。私たちの地方では、神社から繰り出す獅子舞神事が主流です。太鼓と笛の音に合わせ、白無垢の衣装に身を包んだ若衆が獅子頭を振ります。続く胴体部分にあたる獅子幕のなかには20人ほどの若衆が入り、10メートル程の長さにもなります。この獅子舞が「家内安全、無病息災、五穀豊穣」を祈願し、厄を祓いながら地区内を二晩かけて練り歩きます。暗闇に燈る提灯の灯りや篝火(かがり火)が、夜道を練り歩く獅子舞をより一層幻想的に映し出すのです。「お祭り」が終わると、いよいよ稲刈りの準備がはじまります。
「うまい!」米、「安心して食べていただける米」が収穫間近です!!。
今田んぼの稲は、穂肥(ほごえ)をもらう時期に来ています。今までは、葉っぱや茎を主に作る「栄養成長」という過程でした。今時期を境に、オシベ・メシベが出来ていよいよ米粒を作る「生殖成長」へと進んでゆきます。そのための栄養源が先ほどの「穂肥」なのです。
少し技術的なことをお話しします。Aの技術とBの技術について。
A.穂肥の時期をはやくする。
米粒がたくさん付き、量が多く取れます
しかし、大家族の稲穂では栄養が行きわたらず未熟な米つぶがたくさん出てしまう。
B.穂肥の時期をおそくする。
米粒の付く数が少なくなる。
しかし、少家族の稲穂では栄養が行きわたりひと粒ひと粒が立派に実る。
云うまでもなく、私たちの作付けマニュアルは「B」です。更に、肥料の量にも制限を加えて「味の良さ」に結びつく量を診断して施用します。
AとB、これを人間の家族には当てはめてはいけませんね。大家族でも優秀な人はたくさんいらっしゃいます。あくまで米つぶの話し。
落ちが出たところでペンを置き、田んぼに出ることにします。
農家会話に「さつき時(どき)」という季語がよく出てきます。これは暦の月名「皐月」からきていると思われますが、私たち農家は「田植えの時期」という風に単純に頭の中にあります。
さて、我が家の田植えは5月20日からと予定を立てました。今はトラクターでの田起こしを終えて、代掻きに入っています。代掻きの仕事は田んぼに水を引き込み土を柔らかく均して行きます。この田んぼに水を引き込む次期を境に「風が薫りだす」と筆者は勝手に感じているのです。木の葉が芽吹くころの乾いた春風は「花粉症の時期ダァー!」との嫌悪感がどうしても強く、この季節なんぞ無くなればいいのにとさえ思うほどです。
田んぼに水が張られる今時期は、春先からの乾きとほてりが冷まされ肌寒く感じるほどです。色濃くなった草木の「天然ハーブの香り」がひんやりした風とともに吹き抜けてゆく時期、それが「風薫る時期」なのです。
さあ、今日も元気にがんばるぞー。
四月は新年度の始まりです。進学や就職、転勤などで別れがあったり新たな出会いがあったりと、身辺落ち着かぬ方も多かったのではないでしょうか。
皆さんお元気にお過ごしでしょうか。桜の開花が全国各地から発信されています。筆者の地域は例年四月中旬ですが、今年は少々早いようですね。皆さんはもうご覧になりましたか。
米の作付けに向けていよいよ農作業が忙しくなりました。今日は稲の種を播く準備をしました。種籾は熱湯に数分間浸して消毒をし、冷水に浸してあります。2週間ぐらいの後、種籾に加温をして芽出しをします。芽が出て25日位で立派な稲の苗となり、田植をして田んぼでの生育に移ってゆくのです。この間約二月、田植作業に向けて大忙しです。
山形97号という品種が改良に改良を重ねて誕生し、来年皆さんの食卓に届きます。「もう来年の話か・・」とお思いになるでしょう。しかし、「コシヒカリを超える米を作ろう」というプロジェクトがスタートして既に7~8年経っているのです。工業製品とはちがい植物ですから、毎年の気候変動でどう生育に変化があるのか調査しなくてはなりません。とても根気の要る仕事なのです。私たちの「歌丸の里生産組合」もまた試験栽培を3年ほど続けて来ましたし、試食もしました。その評価はな・な・なんと「ん~まいごど~!」(なんてうまいんだ!)でした。新たな食感です、冷めても美味しく「おにぎり」にして食べたら「日本人でよかった」ときっと、きっと思うに違いありません。
そしてついに正式な名前がも決まりました。「つや姫」です。どーです、いい名前でしょう!。乞うご期待・・!。
春の日差しの下、心地よい汗する日々がつづきます。
